震災で非常用トイレの使用は一週間が限界!その後はどうしますか?

畑にピッタリ、六角形のトイレ小屋
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非常用トイレで一週間は大丈夫ですが、備蓄がなくなればどうしますか?

災害で電気、水道、下水道の一つでもダメになれば水洗トイレは使えなくなります。水道が止まれば、流す水がない、停電が長引けば、おおもとの下水処理場が稼働できなくなります。家庭の防災用品として、非常用トイレが便利です。
非常用トイレは、ビニール袋の中に凝固剤が入ったもので1回用です。百均では1個1百円、50個まとめ買いで4千円前後のものが多く販売されています。4人家族であれば、一人一日尿、便を4回するとすれば、一日16個、3日分であれば50個を用意し、6日では100個を備蓄する必要があります。100回分が4,620円と1回あたり50円を切る価格の「緊急戦隊トイレマン100 コンパクトな非常用トイレ」もあります。また、凝固剤だけでの購入では、100グラム980円で、1回あたり2グラムの使用で200CCを吸収するとうたわれていますので、50回、1回あたり20円とかなり割安になります。
そして非常用トイレを使う場合、自宅庭での使用を考えると、費用を安く抑えられるのは、レジャー用の着替えやトイレ用として売られているテントも用意しておき、ダンボールトイレなどの非常用トイレを組み合わせて使用する方法です。しかし、凝固剤を使った非常用トイレは、長期の自宅避難生活には無理がありそうです。

非常用トイレは1回あたり、50円で販売されています。
1回分をセットにした凝固剤1回50円
凝固剤だけを購入し、自分で小分けして使用すると1回20円程度で済みます。
凝固剤を小分けにして使用1回20円

庭に設置するトイレは、設置が簡単、丈夫で長持ち、メンテナンスが簡単な物置?

プレハブ物置と言えば、薄い鉄板の物置を思い浮かべますが、上質なものは断熱がされていているものもあります。有名なのはイナバ(例えば130✕250センチものが36万円)、ヨドコウ(180✕250センチものが32万円)です。

横130センチ長さ250センチのイナバ物置です。断熱処理されていてトイレにも使えます。

イナバ物置の広告を転用記載しました。

横180センチ長さ250センチのヨドコウ物置です。断熱処理されていてトイレにも使えます。

ヨドコウ物置の広告を転用記載しました。

搬入費や設置費用については別途、必要になりますが、家庭用品も入れると大きさとしては機種も豊富で選択肢があり組み立てるだけで済みます。大きめの物置なら、トイレスペースも十分作れます。
しかしトイレ用として作られた建屋ではないので、またスチール製であることから、どのようにトイレにも使えるよう改築できるかの問題は残ります。
そして、もう少し低コストにおさえるなら、ホームセンターや材木店で資材を買ってDIYでお好みの大きさの小屋を建てることになります。適当に作ると木材の場合、土台がシロアリの餌食になったり、雨水で部材が腐ったりします。

庭におしゃれなトイレ小屋を、柱なしで自作できます

トイレの小屋を六角形にするメリットは、
1、風に強い(どの面も均一な作りなので、どの方向から風が吹いても同じ)
2、大きな柱が要らない(モノコック(一体構造)的な構造で丈夫)
3、プレハブ仕様( 現地ではパーツを組み立てるだけで簡単に仕上がる)
4、デザイン(六角形の小屋はデザイン的におしゃれで、あまり建てられていない)
5、低コストで建てられる(合板で構成され、屋根もFRP仕様なので丈夫で)

弊社のFRP部材と合板の組み合わせで早く、簡単に作れます

コンポスト投下式トイレ場合、高床式六角ハウスになります

建物構造及び使用する部材

建物の構成は、土台、6面の壁、2分割の屋根になります。
1、土台は、90ミリ角の大引き、45センチ角のネダで六角形になるように組む、防腐処理と地面に固定する。
2、6面の壁は、6本の支柱を土台の角に設置し、側面を90✕180センチの合板で囲む。
3、屋根は、合板にFRPでライニング処理し、ゲルコートを塗布、ウレタン塗装する。

部材は、六角形部分の土台、床板、6本の支柱、6面の壁(ドアー面1枚、窓面1枚、壁面4枚)、屋根2分割

組立工程は土台、6面の壁、屋根

現地組立の手順をご紹介します。
どのようなコンポストトイレにするかで土台が変わります。ご紹介例は、おがくず投下式トイレの仕様です。

土台を作る際は、防腐処理と地面との固定を念入りにします。

六角形土台部分を杭で地面に固定する

おがくず投下式のトイレを設ける場合は、土台にコンテナを出し入れする入り口を設けます。

コンポストが貯まったコンテナを取り出す入り口

土台の上に六角の角部分に、支柱を取り付けていきます。

支柱を六角形の過度に設置する

支柱を建てる際は、仮止めしながら建てていきます。

順次、仮固定していく

次に合版で壁を作っていきます。

入り口面、窓面以外の壁面を取り付けていく

壁と土台もビス固定します。

壁面と土台面をビスで固定する

屋根は2分割にしておき、壁の上に載せます。

2分割の屋根を側面に載せる

壁の上で屋根を組み立て、屋根同士を固定し、壁面ともビス固定します。

両端をビス固定し屋根とか壁側面を固定する

現地で組み立てた六角形のトイレ小屋です。おがくず投下式の場合、土台の高さが30センチ程度必要になります。

外壁を仕上げれば、おしゃれになります!

1 現場では脚立とインパクトドライバーのみで組み立てできます。2 土台を設置する際、ハウスが飛ばないよう杭で固定します。
3 土台の防腐処理もします。
4 床面は合板を2重に貼ったほうが丈夫です。
5 できれば床面に砂を入れた塗料で滑り止め塗装します。
6 外壁はガルマニューム板等を貼ったほうが丈夫で安心です。
7 排気装置を付ける場合、ソーラパネルとカーバッテリーと使いま す。余剰分を室内の照明にも使えます。
※写真はコンポスト(おがくず)投下式トイレの仕様です。投下式にしない場合、床面は地面と同じ程度に低くできます。

庭でトイレを作った場合、し尿が簡単に処理できるトイレは?

どのようなトイレにするかでし尿の処理が全然違ってきます。
くみ取り式トイレにするとします。その場合、庭、畑でし尿を処理するとなると、「し尿を畑等に使用してはならない」となっている廃棄物処理法第 17 条違反になります。 しかし、施行規則第 13 条では、し尿を十分に覆土して使用する場合は、処理をみとめています。そして、災害時は緊急避難行為をして、法的には問題なさそうです。また、普通は汲取式トイレのように、市町村にし尿回収を依頼することもなりますが、ライフラインの状況で回収してくれるかは当てにはできません。

電気がなくても使えるバイオトイレについて、コンポストトイレとも言います


し尿を自分で処理する方法で一番合理的なのは、し尿を微生物のチカラで炭酸ガスと水に分解するバイオトイレです。
しかし、し尿を一緒に処理しようとすると電気による強制乾燥が必要になります。畑のような電源が取れない場所では使用できませんし、大掛かりな設備であることから価格も安いもので、100万円以上すると言われています。
その中でも、コンポストトイレは大掛かりな機材、乾燥のための電気を用いることなく、微生物で分解処理するトイレです。
生ゴミ処理機を改良して、ご自分でコンポストトイレを自作される方も多くおられます。
バイオトイレとして販売されている機種は多くありますが、コンポストトイレとして販売されている機種は少なく、価格帯も10万円から20万円程度のものが多いようです。やはり大掛かりな機材がない分、安価になります。
そして、1日の処理能力も数人程度のものが中心になっています。
しかし、弊社が試作しました、おがくず投下式トイレは1日に多くの人が使えるコンポストトイレです。
仕組みは、大小分離の便器で、大便だけを便器下に設けたコンテナに落とし、その上におがくずを掛けるだけのトイレです。
大便はおがくずの中で大便自体に付いている微生物で分解していきます。コンテナを大きくすれば一日での使用回数も50回程度は使えますし、替わりのコンテナがあれば無制限に使用できます。

おがくず投下式トイレです。用を足した後、おがくずをその上に振りかけていきます。連続使用が可能です。
格納ボックス天板中央にDIY便器を設置し、両脇にはおがくずを投下する投入口を設けます
便器の下におがくずを貯めるコンテナを設置します。
格納ボックス内のコンテナ
長さ75センチ、横40センチ、深さ30センチのコンテナです。コンテナの大きさで使用回数が決まります。
おがくずが入ったコンテナ

写真のコンテナの大きさは、長さ75、横40、深さ30センチです。満タンなら90リットル入ります。

使い方は、用を足した後、ロープを引き下ろし、便が入ったコンテナを引き寄せおがくずを振りかけます。
次の方も、用を足した後、上がっている方のロープを引き下ろし、コンテナを引き寄せ、おがくずをふりかけます。
コンテナは右、左に行き来することで、盛り上がったコンポスト基材は崩れ、均一化します。
コンテナの容量にもよりますが、おおよそ50回は連続使用できます。

小屋に設置する、おがくずを投下するトイレと撹拌する少人数用のコンポストトイレをご紹介します

小屋が完成すればコンポストトイレを設置しますが、コンポストトイレには、おがくずなどのコンポストを用を足した上に振りかけ処理する方法と撹拌槽の中で処理するコンポストトイレを選ぶことができます。
おがくずを使ったコンポスト投下式のトイレの場合、大小を分離する便器が重要な役割になります。

撹拌しない、おがくず投下式トイレに使用する大小分離のDIY便器をご紹介します

大小分離の便器で便と尿を分けます

左手側のハンドルレバーを引き上げると底の扉が開きます。

便器底には開閉扉が付いています。左手側のレバーで操作します。

便器を外すときは、黒色の取手と便器フロント部の下部を持って引き上げます。

便器前側は尿が溜まりやすいようボウル上になっていて、先端の排出口からデます。
ボウルの先端が尿の出口です

取り外す場合、手を添えるところはフロント部下部です

便器を固定する役割と、便器からの尿を受ける尿受け皿を設置する役割があります。
便器ホルダー

便器を固定する便器ホルダーです。前方部分に便器からの尿を受ける受け皿です。

尿を受ける受け皿には横方向に尿配管をつなぐ継ぎ手があります。

便器ホルダーにある尿受け皿

便器裏面の状態です。開閉扉の様子がわかります。

便器をホルダーにセットします。

便器を投下式トイレにセットします。
投下式トイレに必要なおがくずをバケツに準備します。おがくずをすくう杓も付けます。

DIY便器の内容は、便器と普通便座、便器を固定し便器からの尿を受ける便器ホルダーの3点です。合同会社コンポス技研では、DIY便器として販売しております。

撹拌槽で処理するタイプとして、3人用から6人用の3機種をご紹介します

コンポストトイレは撹拌槽で便だけを処理し、尿はタンクなどに貯めて後で処理するトイレです。撹拌は手動で行います。

3,4人用のコンポストトイレです

撹拌槽に、15リットル程度のコンポスト基材を入れて使います。

こまらんeトイレ30型
撹拌槽に15Lの基材をいれます

4,5人用のコンポストトイレです

撹拌槽には、18リットル程度のコンポスト基材を入れて使用します。

こまらんeトイレ40型
撹拌槽に18Lの基材をいれます

5,6人用のコンポストトイレです


撹拌槽には、コンポスト基材を24リットル程度入れて使用します。

こまらんeトイレ50W型
50W型撹拌槽は2連式

コンポストトイレで発生したコンポストと尿の処理方法について

コンポストトイレの場合、便の処理はコンポスト基材が正常に保たれれば比較的簡単です。使用人数が多くなれば、尿の処理の方が手間がかかるかもしれません。その処理方法をご紹介します。

便は条件が整えば、コンポスト基材だけで処理できます

コンポスト化の主役は好気性微生物です。そしてコンポスト化をうまく進めるためには、好気性微生物の活性を促す適正な環境条件を整えることが必要です。大便自体に①栄養源、②水分、④微生物が備わっていて、あとは、コンポスト基材に③空気、⑤温度、⑥時間が必要になります。
その条件は、①栄養源、②水分、③空気、④微生物、⑤温度、⑥堆肥化期間です。

  • ①栄養源の大便は分解しやすい有機物です。これが堆肥化の微生物の栄養源となります。
  • ②水分便の水分割合は約 80 %で、堆肥化の開始時は、通気性を良くする必要があります。
  • ③空気堆肥中の微生物に空気を送ることが重要です。いわゆる撹拌作業です。
  • ④微生物便1g中には、1,000 万~1億個の多種類の微生物が生きています。本来、食物などが発酵したり腐敗したりするには 100 万個の微生物がいれば十分なので微生物を外から添加する必要はありません。好気性微生物が活動しやすい条件を整えることが重要です。
  • ⑤温度微生物の活性には温度が重要です。夏場はよく分解しますが、気温が低下する冬場は分解は進みにくくなります。
  • ⑥堆肥化期間堆肥として使用する場合、すぐに施肥するのは植物にはよくありません。堆肥化期間を概ね3ヶ月程度、木質物との混合物の場合、6ヶ月以上と言われています。

コンポストは段ボール箱に入れて保存してから、堆肥として使うと便利です

おがくずをコンポスト基材にした場合、おがくずは木質であることから6ヶ月はダンボール箱等で保存し、堆肥化を進めてからの施肥になります。ピートモスや腐葉土の場合、3ヶ月以上、保管してからの施肥になります。

尿も大きなプランター(コンポスター)などに入れて、草、生ゴミ等と一緒に堆肥化する

ダンボール以外ではコンポスターや大きめのプランターに、生ゴミ等と一緒に堆肥化を進めるのもいいかと思います。
その場合、尿も堆肥に撒く水の代わりに、コンポストに振りかけると微生物の処理にとって、一石二鳥です。

直径160センチ、高さ45センチのプランターです。堆肥作りにも使えます。
市販のコンポスターです。

ボカシ肥料を作る際、尿も一緒に混ぜて二次発酵させ、雑菌を死滅させて使用する

日頃から、もみ殻を主にしたボカシ肥料を作る習慣があれば、畑などで、わら、落ち葉、米ぬかなどと一緒にトイレから出たコンポストも混ぜてボカシ肥料を作ります。発酵熱で尿や大便の雑菌は死滅し、安全に施肥できます。

もみ殻を畑に利用するときは、ボカシ肥料として使えます。
米ぬか、わら、落ち葉などと一緒にトイレのコンポストも入れて二次発酵させます。

まとめ

防災の備えとして非常用トイレの備蓄をすること、そして、庭にトイレにもなる小屋の自作と自給自足に役立つコンポストトイレの導入、そして、し尿の処理方法をご紹介しました。
今回、六角形の小屋を一番、簡単な一辺が90センチの大きさで製作しましたが、一辺を120、150、180センチにすることも可能です。
コンポストトイレは電気、水がなくても使えるトイレです。そして便と尿も自分で簡単に処理できます。庭に六角形の小屋を自作される場合、製作のお手伝いもさせていただきますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせは

電話でのお問い合わせは、合同会社コンポス技研 ☎0740-36-1295までお願いします。
メールの場合、下記のボタンからお願いします。


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